No.20 ...サヨナラの距離
足並みのズレを修正できぬまま不協和音に膝を抱える
発信と着信履歴を見比べて答えを探す愚かなる恋
やさしさの残りを君と吾とで割りサヨナラまでの距離をもとめる
思い出を五ミリの幅に裁断す修復不能のシュレッターの中
イジワルのひとつも投げてやりたくてコトバを探すコトバを探す
引き際の潔しのみ染み込んだ想いの欠片握る夕暮れ
サヨナラを表面張力ギリギリのカップに落とし束縛を解く
離れてもずっと好きだという嘘を背中に投げて振り向けぬよう
残された鍵をポストに投げ込んで駅へと向かう足を速める
(全九首)