No.17 ...忘却の行方
忘れえぬ全てのものを捨て去りぬ戻らぬ時間に甘えぬように
決別という爽やかさ春雷の蒼き光りの降りてくる朝
「会おうよ」と何のためらうこともなく言ってのける君少し悔しい
変えられぬ想い出を消すそのために勇気はありぬ一歩踏み出す
ガラクタの浮きつ沈みつ忘却の行方は河の流れにも似て
別々の時間を重ね少しずつ諦めてゆく吾と君の恋
新しいみどりのために散りゆける桜の花のその潔さよ
いつの間に消えたのだろう気がつけば儚き夢の翼遥かに
懐かしき音律たどる鍵盤の白と黒とに指を落として
許される恋ならよかった彼女より早くに君と出会いたかった
(28歳、春/十首)